新規化学物質届出、電子申請が原則義務化へ

カテゴリ:

厚生労働省は、労働安全衛生規則(安衛則)を改正し、令和8年(2026年)7月1日から新規化学物質に関する5つの手続を電子申請へ原則一本化しました。

対象となるのは、新規化学物質を製造または輸入する事業者であり、市販の塗料や接着剤などを購入・使用するだけでは通常は届出の対象になりません。

今回は、この制度改正の概要と、衛生管理者試験にも関連する「化学物質の自律的管理」について解説します。

電子申請義務化の概要

令和8年7月1日から、次の5つの手続は電子申請が原則となりました(令和7年1月1日から電子申請は利用可能)。

  1. 新規化学物質の名称・有害性調査結果の届出
  2. 労働者が新規化学物質にさらされるおそれがない旨の確認申請
  3. 上記確認申請の変更届
  4. 新規化学物質の有害性がない旨の確認申請
  5. 少量新規化学物質の製造・輸入に係る確認申請

今回の改正は、近年進められている化学物質の自律的管理の流れの一環です。

令和5年以降、リスクアセスメントの実施、SDS(安全データシート)の交付、ラベル表示、化学物質管理者の選任など、事業者が主体的に化学物質を管理する制度へ段階的に移行しています。また、電子申請への一本化により、行政手続の効率化やデジタル化も期待されています。

よくある注意点

制度改正では、次のような点に注意が必要です。

  • 届出対象の判断ミス
    新規化学物質に該当するにもかかわらず、届出が必要と認識していないケースがあります。
  • 担当者への依存
    手続を一人だけが把握していると、異動や退職時に対応できなくなるおそれがあります。
  • 電子申請への準備不足
    義務化直前ではなく、早めに電子申請へ移行しておくことが重要です。

管理職・人事担当者が取り組みたいこと

① 自社が届出対象か確認する

新規化学物質を製造・輸入する可能性がある場合は、安全衛生担当部署や化学物質管理者へ確認できる体制を整えましょう。

② 電子申請を前倒しで導入する

令和7年から電子申請は利用できます。e-Govの利用環境や社内フローを早めに整備しておくと安心です。

③ 手続を標準化する

届出の判断基準や申請方法を文書化し、複数人で対応できる体制を構築しましょう。

④ 関係者の役割を整理する

化学物質管理者、安全衛生担当部署、衛生管理者がそれぞれの役割を理解し、連携することが重要です。

衛生管理者試験対策ポイント

今回の制度改正では、次の内容を整理しておきましょう。

  • 新規化学物質届出制度の概要
  • 化学物質の自律的管理
  • 化学物質管理者の選任制度
  • リスクアセスメント制度の趣旨
  • 行政手続の電子化の流れ

制度の背景まで理解しておくと、関係法令分野の学習にも役立ちます。

まとめ

令和8年7月から、新規化学物質に関する届出は原則として電子申請になりました。

対象となる事業者は、制度開始前から電子申請への準備や社内体制の整備を進めておくことが重要です。

また、この改正は「化学物質の自律的管理」を推進する制度改正の一環でもあります。衛生管理者試験を受験する方も、制度の概要と背景をあわせて理解しておくとよいでしょう。

最新の衛生管理者ニュース